イントロダクション
ねえダーリン? もうここを越しましょう?
どうしてこんな思いをしながらこの場所にしがみついて生きていく必要があるの?
頭のおかしな人の常識にどうして私たちの日常が脅かされなければならないの?
ねえダーリンわかってる? あいつが怪物だってこと。
怪物の理屈に私の心が犠牲になっていること。
この犠牲にあなたを巻き込まないよう私が防波堤になっていること。
私たち苦しみを共有できていないこと。
ひとつの家に住んでいても言えないこと。
隣の家に住んでいても聞こえないこと。
本当かわからない過去のことや、知らないふりをする未来のこと。
2組の夫婦の心の声に耳をすませて描く、現在の物語。
コロナ禍で生まれた山本卓卓と川口智子の初タッグが送るSFヒューマン愛ドラマ!?
鈴木光介の作曲と、出演者全員のバンド演奏でおくる、エンターテイメント劇場!
ラブ
――範宙遊泳『心の声など聞こえるか』山本卓卓インタビュー
ローチケ演劇宣言!範宙遊泳『心の声など聞こえるか』開幕直前インタビュー
――“本当に人がいるということ”を劇場でやりたい|演出家・川口智子
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書評公開
戯曲『心の声など聞こえるか』の書評を公開いたしました。
プレビューとしての書評|私に聞こえていたのは誰の声なのか? 清田隆之
「炎上、メディア・リンチ、社会的制裁、ジェンダー格差、セクシュアリティ、マジョリティ男性、ご近所トラブル、家族のあり方、地域社会、自他の境界線、言葉の暴力、利己と利他、新型コロナウイルス、芸能人化するコメンテーター、ブルシット・ジョブ、監視社会、持続可能性、気候変動、脱炭素、オーガニック、オーガズム、科学とスピリチュアル、自己責任論、メンタルヘルス、過剰適応、ケアと共感、正義とは何か、コミュニケーションとは何か、愛とは何か──。」
私の頭には今、このような言葉の数々が渦巻いている。これから書いていくのは、範宙遊泳・山本卓卓が書いた戯曲『心の声など聞こえるか』に関する書評だ。
これまで作・演出を兼任してきた山本卓卓が演出を手放し、脚本執筆に専念した創作シリーズを開始。
今回は、テキストと格闘する演出家の川口智子さんとタッグを組み、お互いに蓄積してきた知見や技術、ネットワークを横断しながら新作を上演いたします。
現代舞台芸術にとってこれまでも課題となっていた「社会からの孤立」や「アーティスト間の断絶」について、新しい”つながり”のスキームを提案いたします。
This is Japan というようなものを描きたいとかねてから考えていた。今回ぼくは劇作に徹し、とにかく、まずは読み物としておもしろく、質の高いものを、と一心不乱に書き上げた。結果、戯曲を上演台本ではなく文学にすることができた。これは劇作と演出を兼務し掌握するのではなく分業し譲渡する意識を持ったからだった。戯曲を深く読み解き根幹のソウルを大事にしてくれる川口智子さん演出のもと、新しい風を感じられる一品になると思う。
作:山本卓卓
自分の身体のままいていい。感情を動かしていい。劇場は、客席は、そういう場所でありたいと思います。そこには、あの人たちも一緒にいます。
今回の山本卓卓との企画には、“協働”とか“きずな”とか“マッチング”とかいう言葉は似合わなくて、そこには街角の空気があります。家と家に引きこもった結果、玄関から一番遠いベランダに出て、境界線をはさんだ向こうの部屋のベランダに出てきた人にいつもよりちょっと大きな声で話しかける。それ以上近づけないもどかしさよりも、顔も見たことのなかったその人と言葉を交わす喜びと驚きに流される。裏側の街角です。
そんな街角のような、ちょっと不思議な座組になりました。冬には街角に来てくださるお客さんのことを想像しながら、劇場で出会う時間をつくっていきたいと思います。
演出:川口智子
日程
12月
17日(金) 19:00
18日(土) 14:00/18:00
19日(日) 12:00/16:00
※受付:開演45分前、開場:開演30分前、上演時間約100分を予定
※出演者6名、すべての公演に出演いたします。
会場
東京芸術劇場 シアターイースト
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
電話 03-5391-2111(代表)
ファックス 03-5391-2215
<受付時間>9:00~22:00(休館日を除く)
アクセス:JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口直結。
料金
一般前売り:4,000円
U25前売り:3,000円*
高校生以下:1,000円*(一律)
障害者割引:2,000円*
リピーター割引:2,000円*
当日券:各500円増し【開演45分前より受付で販売いたします】
*当日要証明書提示。リピーター割引は半券をご提示いただきます。
チケット
11月14日(日)10:00発売
<一般・U25|事前入金>
クレジット決済かコンビニ支払いで、事前発券が必要です。
●演劇最強論-ing(会員登録なし・手数料無料でオススメ)
Lコード:35767
ローソン、ミニストップ店内 Loppi
電話:0570-010-296(ナビダイヤル/休館日を除く10:00~19:00)
窓口:東京芸術劇場1階ボックスオフィス(休館日を除く10:00~19:00)
Pコード:509575
興行コード:2131645
<高校生以下・障害者割引・リビーター割引のみ|当日精算>
当日受付にて現金でお支払いいただきます。
※出演者6名、すべての公演に出演いたします。
※未就学児入場不可。
※前売りチケットは、クレジット決済またはコンビニ入金、事前発券が必要です。
※ご予約の変更、チケットの再発行はできません。
※開演時間を過ぎますとお席にご案内できない場合がございます。
※車椅子でご来場の方はスペース確保のため、事前に劇団にご連絡ください。
※託児サービスあり。1週間前までに芸劇のサイトよりご予約ください。
感染症対策にまつわるご案内
※本公演は、緊急事態舞台芸術ネットワーク「舞台芸術公演における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」 に準じて創作・上演いたします。また、劇場や稽古場施設が定める感染症対策を遵守いたします。
※客席は最前列とアクティングエリアまで2mの距離を設け、適宜消毒作業を行います。
※感染症拡大などのやむをえない理由により、内容の変更や公演中止の可能性がございますこと、あらかじめご了承ください。
※公演中止の場合のみ、チケットの払い戻しを行います。
クレジット
作:山本卓卓
演出:川口智子
出演・演奏:井神沙恵
鈴木光介
滝本直子
武谷公雄
埜本幸良
李そじん
音楽:鈴木光介
美術プラン:川口智子
音響:島猛
照明:横原由祐
衣裳:臼井梨恵
小道具:福田秋雄
演出助手:西岳
舞台監督:伊東龍彦
翻訳:クリストファー・グレゴリー
イラスト:川上勇樹
デザイン:工藤北斗
制作助手:藤井ちより
制作:黒澤たける
プロデューサー:坂本もも
協力:時々自動 モメラス ユーステール 劇団黒テント 青年団 東京デスロック ギフト
モモンガ・コンプレックス シラカン アトリエ ブラヴォ 合同会社ロロ
森下スタジオ Kスタジオ ローソンチケット チケットぴあ
助成:文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
公益財団法人セゾン文化財団(山本卓卓フェロー)
企画制作・主催:合同会社範宙遊泳
YPAMフリンジ2021参加公演
本公演へのお問い合わせ
090-6182-1813(制作)
hanchu.ticket@gmail.com
山本卓卓 Suguru Yamamoto
作
劇作家・演出家。範宙遊泳代表。1987年山梨県生まれ。
幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。
アジア諸国や北米で公演や国際共同制作、戯曲提供なども行い、活動の場を海外にも広げている。
『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。
公益財団法人セゾン文化財団フェロー。急な坂スタジオサポートアーティスト。
アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)2018グランティアーティストとして、2019年9月〜2020年2月にニューヨーク留学。
2020年5月に「むこう側の演劇」を始動し、オンラインをも創作の場として活動している。
撮影:雨宮透貴
川口智子 Tomoco Kawaguchi
演出
演出家。1983 年⽣まれ。2008 年より演出活動を開始。⾳楽・ダンス・映画・伝統芸能等ジャンルを超えた創作、⾹港や台湾を中⼼とするアジアのアーティストとの協働企画を展開。
主な作品にコンテンポラリー・パンク・オペラ『4 時48 分 精神崩壊』(2020年、東京・北九州にて初演、作:サラ・ケイン)、⼦どもたちと町を考えるプロジェクト『まちクラ』(2021 年)など。2022年5月に、多和田葉子の書き下ろしによる新作オペラ『あの町は今日もお祭り』を演出。
井神沙恵 Sae Igami
出演・演奏
俳優。愛媛県出身。大学卒業後、古書店に就職。2012年より俳優として活動開始。
大学卒業後、古書店にて勤務。2012年より俳優として活動開始。
2014年、松村翔子の作演出短編公演に出演し、2015年モメラス第一回公演『色は匂へど、』に出演。以降、メンバーとしてモメラスや松村企画の公演に参加する。
主な出演として、範宙遊泳『バナナの花は食べられる』、MU『狂犬百景』、ナカゴー『キンダガートンコップ』、月蝕歌劇団『百年の孤独』など。映像作品では映画『連鎖』(マキタカズオミ監督)、映画『ミスターホーム』『東京の日』(池田千尋監督)など。
撮影:伊藤星児
鈴木光介 Kosuke Suzuki
音楽・出演・演奏
音楽家。時々自動所属。
舞台に必要な音を追求して作曲するため、毎回違った音楽スタイルにチャレンジして作曲する。
作曲家でありながら演奏家でもあることを活かし、自ら出演できる機会では、トランペット、ピアノ、ホーミー(倍音唱法)、口琴、パチカ、ウクレレ、PCなど様々な楽器を舞台に最適化して使用することで舞台のイメージを豊かにする。
ボイスワークショップ、歌唱指導、楽器演奏指導も行う。
おもな作品に、ナイロン100℃『百年の秘密』(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/第26回 読売演劇大賞 最優秀作品賞)、日生劇場ファミリーフェスティバル『あらしのよるに』(作:きむらゆういち/演出:立山ひろみ)、KAAT神奈川芸術劇場『ドクター・ホフマンのサナトリウム』(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/振付:小野寺修二)、コンテンポラリー・パンク・オペラ『4時48分 精神崩壊』(作:サラ・ケイン/演出:川口智子)などがある。
滝本直子 Naoko Takimoto
出演・演奏
高校卒業後、渡英。
2008年「劇団黒テント」入団。
自由の森学園高校 非常勤講師。
主な黒テント公演は、『上海ブギウギ1945』、『窓ぎわのセロ弾きのゴーシュ』、『歌うワーニャおじさん』など。
その他外部出演作に、鴎座『ダントンの死について』(演出:佐藤信)、流山児事務所『お岩幽霊 ぶゑのすあいれす』(作:坂口瑞穂、演出:流山児祥)、『4.48サイコシス』(演出:川口智子)、日生劇場『あらしのよるに』(原作:きむらゆういち、演出:立山ひろみ)などがある。
武谷公雄 Kimio Taketani
出演・演奏
幼少時から古い邦画で往年の名俳優の芝居を鑑賞して過ごす。
19歳で早稲田大学「劇団森」に参加。
その後、外資系保険会社に勤務。
30歳直前で自作演による一人芝居を皮切りに、神里雄大、杉原邦生、松井周、市原佐都子、青木豪、串田和美、長塚圭史、ケラリーノ・サンドロヴィッチなどの演出家の作品に数多く出演。
また木ノ下歌舞伎『黒塚』では国内のみならずフランスでも高く評価された。
山本卓卓作品には『その夜と友達』以来の出演となる。
また大河ドラマ『いだてん』や映画『クソ野郎と美しき世界』など映像作品にも出演。
2020年ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS ラジオ&オーディオ広告部門 クラフト賞 演技賞受賞。
埜本幸良 Sachiro Nomoto
出演・演奏
俳優。1986年生まれ。岐阜県出身。2010年より範宙遊泳に所属。
身体的な演技に定評があり、観客に強い印象を残している。
ビデオグラファー・リトミック・中高生への演劇WSなど幅広く活動。
近年の主な外部出演作に、CHAiroiPLIN『桜の森の満開の下』(構成・演出:スズキ拓朗)、柳生二千翔『アンダーカレント』(作・演出:柳生二千翔)などがある。
撮影:莉空
李そじん Sojin Lee
出演・演奏
1990年12月3日生まれ。東京都出身。
中高時代の部活で演劇をやりはじめ、日本大学芸術学部演劇学科にて演劇を学ぶ。
2015年より青年団、東京デスロック所属。
現代口語演劇やフィジカルなパフォーマンスを重視したもの等、幅広い作品に出演している。
範宙遊泳には『#禁じられたた遊び』に続き2回目の参加となる。
近年の主な出演作に、DULL-COLOREDPOP『丘の上、ねむのき産婦人科』、オンライン自主企画『三人姉妹の女たち』、テニスコート『かに道楽エビ全滅』、KAAT×東京デスロック『外地の三人姉妹』などがある。
撮影:大内彩加