55日のインド滞在制作でうまれた国際コラボレーション作品、待望の日本公演緊急決定!!

作・演出|山本卓卓(範宙遊泳)/ニール・チョードリ(タドポール・レパートリー)

 

出演|椎橋綾那 ビクラム・ゴーシュ 福原冠 田中美希恵 ピユシュ・クマール シャイク・シーバ

よくあるとある街を舞台に、見知らぬ6人が、自分自身に、そして互いに向き合いながら、自分の居場所を探して時を織りなしていく。

欲望と病、愛と寂しさ、影ある過去と霧がかる現在(いま)。

そこにある事実はただ一つ、ここからは逃げ出せない、ということ——

日印友好交流年記念事業

範宙遊泳 x The Tadpole Repertory

午前2時コーヒーカップサラダボウルユートピア

-THIS WILL ONLY TAKE SEVERAL MINUTES-

▼日程

2017年6月30日(金)〜7月2日(日)

 

6月30日(金) 19:30

7月1日(土) 14:00/19:00

7月2日(日) 14:00

 

 受付|開演45分前 開場|開演30分前

 上演時間約75分+トーク20分

 *60分とご案内しておりましたが変更になりました。お詫びして訂正いたします。

 ★早稲田大学文化構想学部(文芸ジャーナリズム論系)教授の水谷八也さんを聞き手に、​約45分間のアフタートークイベント開催決定!(逐次通訳あり)

▼​料金

一般|3,000円

学生|2,500円

高校生以下|1,000円(一律)

当日券|各500円増し

▼​チケット取り扱い

6月4日(日)10:00販売開始

<一般・学生予約|事前入金>

ローソンチケット

Lコード|34303

電話|0570-000-407

  (10:00~20:00/オペレータ対応)

ローソン・ミニストップ|店内Loppi

<高校生以下|当日清算>

件名を「高校生以下予約」とし、

hanchu.ticket@gmail.comまで

①日時②枚数③お名前④ご連絡先

をご明記のうえお申し込みください。

こちらの返信をもってご予約完了といたします。

▼会場

森下スタジオ [Cスタジオ] 

〒135-0004 東京都江東区森下3-5-6

TEL|03-5624-5952(公演期間中直通)

 

▼アクセス

都営新宿線・都営大江戸線「森下駅」A6出口徒歩5分

東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河駅」A2出口徒歩10

▼クレジット

翻訳|クリストファー・グレゴリー

音楽|サマル・グレワル

照明|アヌジ・チョプラ 

照明協力|中山奈美

美術協力|中村友美

舞台監督|藤江理沙

制作協力|夫津木美佐子

制作助手|柿木初美

制作|坂本もも

協力|国際交流基金ニューデリー日本文化センター

   プリッシマ 急な坂スタジオ ローソンチケット

   チランジット・ダス ジャンビ・スレダール

​   ヤシャス・チャンドラ 北岡香菜

助成|公益財団法人セゾン文化財団 

主催|範宙遊泳 さんかくのまど

▼お問い合わせ

090-6182-1813(制作)

hanchu.ticket@gmail.com

​*前売り券ご購入後のキャンセル・日時変更はご対応できかねます。

*上演時間は約60分+トーク20分程度を予定しております。

*日・英字幕付き

*未就学児のご入場不可

The Year of Japan – India Friendly Exchanges

A play by Theater Collective HANCHU-YUEI and the Tadpole Repertory 

 

THIS WILL ONLY TAKE SEVERAL MINUTES - 午前2時コーヒーカップサラダボウルユートピア -

 

THIS WILL ONLY TAKE SEVERAL MINUTES is set in a city not far from yours. Six strangers confront themselves and each other, seeking out their place and purpose. They grapple with hunger and sickness, love and solitude, through their shadowy pasts and the foggy present. In all of this there is but one certainty - that they cannot escape this place and must try anything they can to bear it. 

City: Tokyo

Venue: Morishita studio [C studio]

Date: 30th June- 7:30pm 

Date: 1st July- 2:00pm and 7:00pm 

Date: 2nd July- 2:00pm

Ticketed show, priced at 3000 yen to book in advance. 

 Plus 500 yen on the show day

 Contact for Student Discount 
*with Japanese and English Subtitles

大丈夫、たいしたことじゃない 山本卓卓

初出:「新潮」2017年5月号

 2016年の12月から2017年2月までインドはデリーで演劇の 滞在制作(現地アーティストとのコラボレーション)を行い、プネ、バ ンガロール、ムンバイを巡業した。約2ヶ月も、しかも年の瀬をまたいで「あの」インドに滞在するなんて、生命をすり減らしてボロ雑巾のようになって帰って来るのではないか、あるいは灼熱の「あの」インドで真っ黒に日焼けして毛むくじゃらの精悍な野獣になって帰って来るのではないか、という周囲の期待に反して私の身はいたって平常だった。平常な私をみて、「あの」インドに滞在するからにはきっと大変だったでしょうと、大変だったに違いないと、期待する人々の瞳の輝きまでもが平静になっていく。残念ながら滞在中私は特別に身の危険を感じることもなければ、大変だと身に沁みて打ちひしがれることもなかった。そして残念ながら、12月のデリーは灼熱ではなかった。日焼けなどもってのほか、極寒といっても差し支えない気候で、むしろ苦労話といえばその寒さに耐え忍ぶことぐらいであった。 

もちろん、この2ヶ月間には様々なことがあった。現地アーティストとのコミュニケーションの齟齬、宿舎のハウスキーパーのおじさんのラッパ隊のような朝のテンション、日本人俳優とインド人俳優との演技姿勢の違い、滞在2週間目にしてやってきた穏やかな腹痛。大変だった、と言ってしまえばあり余るほどのネタはあった。けれどもそれは、つまり起こった事実を捕まえて大変だった、と言ってしまうことは、私自身の器量のようなものを、ひいてはこのインドでの経験自体を、ある一定の尺度に押し込めてしまうような気がしていた。だから口が裂けても「大変だった」などと言ってたまるか、という決意と覚悟のようなものだけは持って渡印した。成田空港からインディラガンディー空港へと飛び立つ飛行機の中で私は下記のようなメモを残した。「12月12日。例えばこの飛行機が墜落してこのクロッキー帳をあなたが私の遺品として目にしているのであったら。どうか、山本は飄々と死んでのけたのだと思ってください。全然大変じゃないです。そしてあるいは、2ヶ月のインド滞在によってたとえば突然羽が生えたりするような事態に見舞われて、昨日と今日とでまったく価値観の変わってしまった山本本人がこれを目にしているのであったら次の言葉を唱えて笑いましょう。大丈夫、たいしたことじゃない」。

 困難に直面して「大丈夫、たいしたことじゃない」と笑うことは、それが他者へ向けられた場合には無神経となる。しかし自己に向けられていれば明日を切り開く魔法の言葉となり得るかもしれない。言葉は厄介だ。自分を癒す言葉が他人を傷つけることもある。言葉が厄介だなと感じることは、滞在中も多々あった。制作がはじまって間もない頃、私の話す言葉にいちいち現地のインド人俳優たちは眉をひそめた。ちょうどその眉のひそめ方は、納豆でも食べたかのような、咀嚼するのをためらうかのような眉だった。我々の眉間の溝を決定的に感じさせたのは、共同で脚本執筆を行うニールとの言葉への価値感の相違だった。私は台詞を書くからには自分から生まれた言葉でなければならないと頑なに考えるタイプで、俳優に即興演技をさせてそこから台詞を拾って脚本化したり俳優に台詞を書かせたりするようなことは一切してこなかった。しかしニールや、インドの劇団、インド以外の国の劇団でも、そうした「俳優から生まれた言葉」を脚本化するというようなことは多かれ少なかれあるようで、今作においても例外ではなかった。リハーサルの中で俳優が書いた台詞を脚本に反映させるという。そのことに対して私がいささか抵抗を示すと、普段は温厚で柔軟なニールが眉をひそめた。「僕が俳優にシチュエーションを与えて、キャラクターを与えて、その上で彼らの喋った/つくった言葉を脚本にする。これの何がいけないんだい?」。私は閉口した。私が頑なに守りたがる劇作家としてのプライドなど、彼らにとっては瑣末な問題なのかもしれない。「作品が良くなることが前提だよスグル。何を細かいこと言ってるんだい」というニールの意見と「でも細かいところで己を規定していかなければなんでもありになっちゃうじゃないかニール」という私の意見との間には、なんだかお互いの国民性の深淵を垣間見るような気がして興味深く、しかしそれでいて決して交わることのない分断であるような気もするのであった。うっすらと見え隠れする絶望の二文字を前に私は心の中でこう唱える「大丈夫、たいしたことじゃない」。もちろんこんなことニールには言わない。言えない。ニールもこれ以上この話を発展させなかった。私達はただお互い時が過ぎるのを待った。眉間の溝が埋まるのをでなく、その溝に橋が架かるのを待った。保留したのだ。

 保留はいわば祈りのような効果を持っていて、次第に私たちは打ち解けてお互いの言葉に眉をひそめあうようなこともなくなっていった。ニールはその「俳優が書いた台詞」を刷新し自分の手で言葉を紡いだ。そして私も知識豊富な彼らを見習って、あらゆる演劇の手法について、その可能性を検証する好奇心だけは持っていようと努めた。すると、収穫と呼べるものの方が日々の疲弊に勝っていくのを感じた。演劇を通して、お互いのことを知っていったのだ。

私たち日本人はなんらインドのことを知らない。私たちが「あの」インド、と言う時、それは「カレー」を指し「人が多い」を指し「大気汚染」を指す程度でしかなく、それは多くのインド人が日本について「KAWAII」「車がすごい」「マンガがすごい」程度のことしか知らないことと変わりない。私はこのインド滞在からの帰国10日後、NY で公演を行った。これに関して、なぜインドだと「たいへんだったでしょ?」と言われるのにNYだと「すごいね!」と言われるのだろうか。けれども確かに、インドと聞くとまるで劣った国であるかのようなかつての自分がいたことに、気付くのであった。彼らが人間として劣っているわけではないのにもかかわらず、インド人、と聞くとなぜだか下に見てしまうような自分の無意識の偏見が確かに存在していたことを。

こうした偏見が私の中から完全に氷解した、というわけではない。けれども今となっては、もしもこの偏見にさえ無自覚なまま旅を終えていたらと思うとぞっとする。それはニールをはじめとする今回のカンパニーメンバーを、ひいてはインドという国を、そしてこの旅と、出会いそのものを、無下にすることに他ならないからだ。

尊敬できるインド人にたくさん出会えた。いささか尊敬できないような部分や出来事は「大丈夫、たいしたことじゃない」と笑い飛ばせた。  目にするもの、出会うもの、すべてに必ず尊敬できる部分があった。私は今後も私自身を困難に追いやる一切を笑い飛ばす。そして知らないを知る旅を続ける。そう誓って今なぜか岩手にいる。

Written and Directed|Suguru Yamamoto and Neel Chaudhuri

Cast|Ayana Shiibashi, Bikram Ghosh, Kan Fukuhara, Mikie Tanaka, Piyush Kumar, and Shaik Sheeba

Script Translator|Christopher J Gregory Original Music|Samar Grewal

Lighting Designer|Anuj Chopra Lighting cooperation|Nami Nakayama

Stage cooperation|Tomomi Nakamura Stage Manager|Risa Fujie

Production Coordinator|Misako Futsuki Production Manager|Hatsumi Kakinoki Producer|Momo Sakamoto

Supported|The Japan Foundation, New Delhi

      PURISSIMA Steep Slope Studio Chiranjit Das Jahnvi Sreedhar Yashas Chandra Kana Kitaoka

Grant|THE SAISON FOUNDATION

Organized|Theater Collective HANCHU-YUEI SANKAKUNOMADO

インドツアーの記録 ​Photo by Anuj Chopra

Theatre Collective HANCHU-YUEI

 2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。

 現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。

生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、

より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。

 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。

 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。

090-6182-1813(制作)

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