Theatre Collective HANCHU-YUEI

 2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。

 現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。

生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、

より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。

 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。

 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。

090-6182-1813(制作)

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2017.1.28(sat)-2.3(fri) 福原冠

February 12, 2017

 

 

▼1.28(Sat)

 

プネの劇場は建物の3階にあって、何か学校の講堂のような雰囲気。天井がとても低い場所だ。仕込んですぐに通し稽古。床と靴の相性が最悪。明日怪我しないようにしなければ。舞台の裏側にテラスのような場所があって、そこが気持ちよかった。クリケットコートが見えた。モモはあらためて役者同士でこの作品についてディスカッションをしないかと提案してきたけど、積極的にそうだねとは言えなかった。舞台が仕込まれている間に役者ができることをしようという発想なのだと思うけど、ディスカッションがいきすぎて作品のバランスが崩れかねないと思ったからだ。この辺は難しい塩梅。演出家のいないところで自主練をしてなんだかちがうものになってしまった、ということはよくあることで、こういった話し合いによってそうなりかねない。僕は役者同士で作品についてここはこう考えているみたいなことを細かく共有する必要はないかなと思っている。間違っていてもいいからお互いの想像力の遊びを残しておくべきなんじゃないかな。いいコンディションを保って待機をする。これも一つの仕事かなあ。難しいバランスだけどね。ぐさっと通して早々と撤収。夜違う本番があるらしく、一度撤収しなくてはならない。明日は朝10時半に本番。すごいな。

 

 

▼1.29(Sun)

 

最悪な目覚め。ほぼ寝れなかった。朝10時半開演に緊張して寝れなかったんじゃない。蚊だ。夜中ずっと蚊と格闘してまともに寝れなかった。夜中に一人「静かにしてくれ」「ぶっ殺す」「寝かせてくれ」など絶叫し倒した。(おそらく)たった一匹の蚊を仕留められずに朝を迎えてしまい、なんとか寝るもとんでもなく浅い眠りだった。9時に劇場があくまでの15分ほど劇場の外で寝た。部屋の中より眠れた。劇場が開いたのは9時を過ぎており、開場まで約1時間。かなりグロッキーではあるが、がががっと体を起こし開演。いつも午前中の公演はいつも不安になるが、噛み合うことが多いのだけど、今回もとても集中力のあるステージになったと思う。舞台は積み重ねるもので、お客さんに育ててもらうところがある。この作品もお客さんの新鮮な反応に気づかされ、育まれている。終演後とても嬉しい言葉をいただいた。インド人だけで日本語の演劇をやっているという方にも会った。誰も日本語が話せないから稽古に5ヶ月もかかるのだそう。すごい。終わってみんなで写真を撮ってチャイを飲んで一息ついて、すぐにバラしてホテルに戻った。寝れなかった分をとりかえすかのように昼間から深く眠る。起きると夜8時。せっかくホテルの周りを歩いたりしようと思ったのになんだか損した気分になった。なんだか外にでる気分になれず稽古期間中に見終わったアニメのセカンドシーズンを見始める。痛快な面白さ。マイケルジャクソンのビリージーンを和訳したりもする。気分が乗ってきて若干ものまね気味に歌ったりするも部屋の電話が鳴って、苦情かなと思って出たらシーバだった。部屋でパーティーやってるから飲みに来なよとのことだった。シーバの部屋にはピユーシ、照明アノジ、舞台監督チル、制作ジャンビーもいた。部屋を暗くしており、今日は騒がずにしっとりとしたパーティーなのと言っていてなんだか笑ってしまった。携帯で絶え間なくのインドの音楽をかけてみんな踊りまくっていた。インド人は本当に音楽が好きで、みんなで歌える曲が本当に多い。そういえばなんとなくだけど、インド人は鼻歌を歌ってる人が多い気がするんだけどどうだろう。タクシーのおじさん、ハウスキーパーのおじさん、スーパーの店員、公園にいる若者、レストランにいた男女、いろんな人が鼻歌を歌っている姿を見てきた。なんでそんなにいろんな曲をみんな歌えるのかと聞くと、大体が映画の挿入歌なのだそう。みんなひたすらに映画をみて映画音楽を聞いているらしい。一つの映画の中で5・6曲かかるから、気付いたらいろんな曲を歌えるようになっていた、とシーバが言っていた。なんだか羨ましいな。チルに最高に安っぽいワインを飲まされて沢山笑って部屋に戻る。

 

 

▼1.30(Mon)

 

この日もほぼ寝れず。というか完全に寝れず。昼間に寝まくったのまるけど、今回も蚊のせいで全く寝れなかった。朝方「もうやめた。寝るのやめた。ふはははは」となんだか笑えてきて、おかしなテンションになっていた。昼間寝たときは一匹も出なかったくせに、なんで夜中になると出てくるんだ、ふざけてる!!いいんだどうせ今日は移動だけなんだから。むすっ。空港に着くも飛行機が3時間遅れてなかなか飛ばず。昨日の果てしなく安っぽい味のワインのせいで若干頭が痛かったが、待ってる間この日記を書いた。飛行機の中でぐっすりと寝た。どれくらいぐっすりかというと離陸も着陸も気づかないぐらいだ。離陸と着陸、非常時の際のアナウンス、この大事な三つをむにゃむにゃしてやったという小さな優越感。おそらく10日振りのデリーは寒かった。宿舎に戻ってビールを飲みつつ、ビリージーンの和訳の続きをした。ビリージーンは架空のスキャンダルの歌で、ビリージーンというとても綺麗な女が突然、自分のことを旦那だと言ってきて、この子は彼との子ですと言ってきたみたいな歌で、母親にも「付き合う人には気をつけなさいよ、だって嘘が本当になってしまうから」と言われた、みたいな内容なのだけど、これ、90年代に入ってからのマイケルの人生にそのまま起きていて、晩年、彼はこの歌をどう思いながら歌ったんだろうということを思った。2番の歌詞は歌い方含めなんだか泣けてくる。ところでウッとアッとかヒーヒーみたいなあれはどうやってたどり着いたんだろう。

 

 

▼1.31(Tue)

 

ツアー最後の地。デリー。会場はODDBIRD。お昼過ぎから仕込んでがががっと通し稽古をして、夜は関係者を招待したドレスリハーサル。空間的にODDBIRDが一番慣れるのに時間がかかった。ここに来て登場人物の関係性が更に動き始めているように思った。バンガロール振りに見たクリティも関係性が変わったように見えたと言っていた。Tadpoleアンダースタディの3人も来ていた。とても興奮した様子で嬉しかった。彼らは最後の通し稽古を見ている。成長したとこを見てもらいたかった。家に帰って再び台本。あと3回でどう変わっていくんだろう。1月が終わる。インド滞在もあと3日。

 

 

▼2.1(Wed)

 

デリー初日。昨日のドレスリハーサルの時からだが、Tadpoleメンバーから緊張感みたいなものを感じる。本番前はいつも以上に入念に台詞を確認したりしている。きっと彼らにとってデリー公演は東京でやるみたいなことなのだろう。一番観客の目が厳しいのがデリーなのかもしれない。単純に知り合いが多いというのもあるのかもしれない。自分も観客に研修生や国際交流基金の方、通訳のカナさんがいるということだけで、若干空気が違うような気がした。自分の今までを知っている人、自分の癖や手の内を知っている人の前でやるということ。たしかに若干ナーバスになるかもしれないな。自分は比較的この作品をリラックスしてやれているけど、それは誰も自分のことを知らないから、なのかもしれない。そういった意味で日本でやる時よりも余計なことを考えず、判断基準を自分の中に持ち、ブレることなくやれているのかもしれない。Tadpoleメンバーよりも観客の感想が届きにくいというのもある。ブレずにやろうとするけど、どうしても入ってくる声というのはあって、そういったものから今、距離を保てているのかもしれない。この作品をやっていくなかで、自分の基準みたいなものがクリアになったし、自分の輪郭みたいなものを考えることが多かった。自分がなにを考えてどう思うのか、それを表にどう出すのか。隠したって分かってもらえないまま終わってしまうのでは先に進めない。自分自身で勝負するということ。般若がリリックで「自分の価値観大丈夫?」と言っていけど、まさに。そんなようなことを考える創作期間であり、ツアーだった。この日は日本人のお客さんが来てくれた。インドで公演を見てくれた日本人はどんな人でもマイメンになると決めていた。終演後に話す。マイメン決定。帰国してから飲もうという話になった。

 

 

▼2.2(Thu)

 

デリー千秋楽。ツアーもこれで最後。この日は2ステージ。昼の公演で事件が起きた。停電だ。インドではよくあることなので、今回のツアーで一回も停電になっていないのはラッキーだと誰かが言っていたが、いざなってみると泣きそうになるね。お芝居の後半、自分とピユーシが二人でやり取りをシーンでそれは起きた。停電だと判断した途端ピユーシは演技をするのをやめた。今思うと、そういうものなのかもしれない。でも僕はここで芝居を止めてはいけないと思い、続けた。きっとピユーシはすぐに復旧すると思ったのだろう。インドの停電は瞬間的なものが多く、長くても30秒ほどで明かりがつく。でも昼の停電は全くつく気配がしない。暗闇の中で芝居を続け、シーンの最後までたどり着いてしまった。当然転換の音楽も鳴らない。ここでニールが立ち上がり、5分間の休憩を挟むと観客に伝えた。自分はどう判断していいのかわからず、若干アタフタしたが、ピユーシは舞台上で微動だにしなかった。慣れている、と思った。僕も最後の立ち位置のまま静止した。reset-Nの公演でラストシーンで俳優が固まりそのまま観客がいなくなるまで止まったままという作品があったが、それを思い出した。とても好きな作品だ。でも5分経っても明かりはつかず、再度ニールが立ち上がり15分間の休憩にすると告げた。ニールに肩を叩かれてスクリーン裏にはけた。このまま明かりがつかないまま公演中止、夜の回もできずそのままツアー終了みたいなことになったら泣くかも、なんてことがよぎった。しばらくして明かりがついて再開。観客のほとんどが残ってくれた。そのことにまた涙が出そうだった。終演後ピユーシはかなりぐったりきていた。そりゃそうだよ。夜の回は開演前、座組みにエモい空気があったのでドライにドライにと念じた。そういう時は若干もたっとすることがあるからだ。カーテンコールでニールが感謝の言葉を伝えるその姿に、少し泣きそうになった。ニールが終演後「美しいステージだった」と言ってくれて何か大きな許しを得たような気になる。嬉しかった。終演後サングリアみたいなのを飲みつつ踊ったりしつつ若干DJみたいなこともした。日本語の歌だけをかけた。日本語で沁みたい時ってあるやん?終わって家に帰って範宙メンバーで振り返り。その後ビールを飲みつつユーチューブでTURNSTILEのライブ動画なんかを見る。至福の時。現行のハードコアはturnstile、touche amore、code orange、backtrack、title fightが好きだな。ぐったりして眠る。

 

 

▼2.3(Fri)

 

昼にお土産など買いつつ公園でまったりしつつランチ。最後に食べたのはデリーに来て初めていった所と同じお店だった。夕方は全員で公演の振り返り。よかった事悪かった事など色々と話した。Tadpoleメンバーが感じていたことに驚いた。みんな似たような事をかんがえていたんだ。創作は決してスムーズではなかったし、息ぴったりでやれたかというと、全然そうではなく、困難な事がいっぱいあった。けど、だからこそ得れたものもいっぱいあった。困難さに立ち向かって初めて交流とかコラボレーションと言えるのかもしれない。手を組みましたこんなんできましたピース!だけでは得られないもの。好きなポイント嫌いなポイントひっくるめて受け入れること、または何を許して何を許さないか。そうやって今回の作品は生まれた。他人との関係を考えることは同時に自分の事を考える機会でもあった。わからない事ほど興味を持って、難しい時ほど飛び込んでみる、すると自分の考えなんてちっぽけだと気づかされる。そういう瞬間の連続だった。ニールが今回のコラボーレションで範宙遊泳から学んだことがあったと言っていたけど、そんなことが言えるニールはすごい。とても魅力的な人だ。この作品の今後の展望みたいな話もして高ぶる。みんなで夜ご飯を食べてぐっと抱きしめあって別れた。深夜、飛行機に乗って東京へ。機内に沢山の日本人がいてぎょっとした。ここにいる全員の言葉が分かる。そして自分の言ってる事が分かられてしまう。そのことになんだかくらくらした。見たい映画がたくさんあったが、寝てしまい全然見れなかった。ベストヒットUSAは見た。あとブルーノマーズのアルバムを聴いた。朝方、窓の外を眺めながら今中国の上を飛んでるんだな、中国さすがに山ばっかだなーと思ったら、日本の四国だった、なんてことがあった。なにこの話。帰国して目黒で友達数名と飲む。深夜、銭湯に行って1時間ぐらい出たり入ったりして、2ヶ月ぶりの風呂を堪能。日本寒い!

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