NY1日目|大橋一輝

NY1日目

日本の2/14の10時20分に羽田空港を出発し、約14時間のフライト。

島を出て太平洋に出て日付変更線を越えて、ハワイを越えて太平洋の残り半分を越えて、西海岸のシアトル、バンクーバー辺りの上空からアメリカに入り、大陸を横断。

このまま真っ直ぐ飛べば、大西洋に出てヨーロッパに行ける。

距離的にはもう少しで地球の半分くらいを飛んだ気がした。

太平洋はとてつもなく広くて、アメリカ大陸も広くて、大西洋は地図で見ると案外小さい。

NYのJFK空港に到着したのは14日の午前9時くらい。日にちを越えて、時間をさかのぼってきたことなんてこの時は忘れていた。

今思うとすごいことだ。

英語のアナウンスが聞こえてくる。日本でも日常的に聞くがこっちで聞く英語はやっぱり違う。英語ばかりの文字、入国審査を越えた先に見える大きなアメリカ国旗。

すごくビビットなカラーで配色で、なんだか華があって力強い。赤と青と白と星。

なんで赤と青なんだろう。

審査を終えて、荷物をとって、タクシーに乗って空港からマンハッタンへ。

タクシーからマンハッタンのビル群が見えてきた時に思わず息を飲む。

中国やアジア、日本のビル群とはまた違う。なんだろう、それぞれの建物の輪郭がはっきりみえて、存在感というか、洗練されてて、力強い。

大きな橋を渡り、マンハッタンに入る。

街は朝のラッシュ。碁盤目状の道、数字の入った通り、〇〇avenue。

道にはたぶん全て名前がついていて、なんだかかっこいい。日本にも道には名前があるはずだが、余り興味を持って認識していない。

なんでだろう。

タクシーを降りる、やはり見上げるビル、でかい。建物、ちょっとクラシックな建物が近代的な建物の中に所々入り混じっている。

色はレンガ色、クリーム色、白、茶色系、そしてビルの青光り時々黒のピカピカ系、真っ白シルバーのメタリックピカピカ系、が多いような気がする。クールでありながらクラシックでどこかノスタルジック。規則性のある区間。どこか知性を感じられる街並み。

そしてアメリカ国旗が建物に掲げられて連なっていたりする通りがある。国旗のインパクト。街の中でこんな風に旗がある。それも割と大きい旗。心にくるものがある。なんだろう。そういえばインドのデリーには巨大な旗が夜の空にたなびいていた。日本の旗や日本のことを考える。

映画やテレビで何度も見たNYの街に今いる、というのは、日記を書いている今思った。その感慨は今やってきた。その時のことはもう覚えていない。

NYは、テレビや映画の中や写真の中の街だった。生まれてから自然にまた強制的にNYという街のイメージ、ブランド力を植え付け植え付けられてきた。

そしてその中で導かれた個人的な憧れや妄想、想像、虚構。

その街に今来た。今、NYにいる。

ホテルに着いて、ジャパンソサエティの宮井さんを待つ。

宮井さんと対面し、一度荷物を置いてから劇場に向かう。劇場があるジャパンソサエティの建物はホテルから歩いてすぐ。

街の様子を見ながら歩く。

朝日本を出発して、今は朝のニューヨークにいて、景色を見ている。すごい変化だ。

なだらかに、身体や心が日本からニューヨークに移行していった気がする、今は。その時は変化のことなんか考えていなかった。

ただ当然のようにNYにいて、NYを受け入れていた。ただ時々何かのきっかけで新鮮さに目を見開いたりして、知らない街に来たことを思い出させてくれていた。

今回お世話になる劇場がある、ジャパンソサイエティに着く。

もう少し進むと国連本部があり、ここには各国の旗がずらっと。でも僕はこの様々な国の旗よりも、街中にあるちょっとやんちゃで主張のあるようなアメリカ国旗の方がなんだか好きだ。

劇場入り、スタッフさんに挨拶。そして仕込み。

今回スタッフは全員日本人の方たちで、言葉が通じる。なんだか不思議だ。

劇場の中にいると、時々ここがニューヨークだと忘れてしまう。外に出たら東京でも受け入れられてしまいそうだ。だがしかし劇場の外を一歩でもでればここはアメリカ、ニューヨークだとすぐわかる。英語の話し声、文字、この街の匂い、建物の造り。

スタッフさんたちのおかげでさくさく仕込みは進み、終わる。

劇場は小さな映画館みたいなかわいい場所。舞台上は教室や体育館の床みたいだと思う、今。明日はテクニカルなリハ、夜はドレスリハーサル。

スタッフさんに挨拶して、夜の街にでて、ホテルに戻る。寒さが増す。東京より少し寒い。だが凍えてしまうような寒さでもない。

NYの街とはまだまだ探り合いの段階だ。お互いの出方次第だろう。

今日はホテルに戻って早めに休むことに。

戻って一息ついて今日のフィールドバック、ミーティング。

範宙遊泳、無事ニューヨーク1日目を終了しました。どんな冒険が待っているのでしょうか、待っていないのでしょうか。襲ってくるのでしょうか、襲われないのでしょうか。そもそも冒険なのでしょうか、わかりません。

ちょっとだけ整理された言葉は、きっと時間がたった後にやってくると思われます。

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Theatre Collective HANCHU-YUEI

 2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。

 現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。

生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、

より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。

 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。

 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。

090-6182-1813(制作)

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