2017.10.23(mon)-2017.10.28(sat) 福原冠 in シンガポール


10/23

稽古は最終週に突入。いよいよだ。ヤジットが風邪でお休みなので、彼がいない箇所を当たりなおしたり、新たに足す脚本についてみんなで話したりした。

今日の稽古で自分とアリソンの役の関係は前に進んだんじゃないかな。出会いのシーンがとにかく肝。どう出会うか。そしてそのシーンの終わりにはどうなれているか。少しづつだけど見えてきた。最初の一人で話す箇所もようやく固まってきた。思えば最初にイメージしていたものからはかなり変わった。明日は関係者に向けた通し稽古。

稽古後、夕飯を食べてから幸良さんとプール。ほとんど泳がず、ずっとくだらない話をしていた。話したこと、すごく書きたいけど一文字も書けない、、。

10/24

昨日の夜、年末の視野でラッパーのQNくんが出てくれることが決まって、朝からほくほく。初めて知ったのはUNCOMMONのMVだったかな、すごく衝撃を受けて、それ以降ずっと追ってて、トラックもプロデュースワークもどんぴしゃで、何よりQNくんの声が好きで、こんなに好きなら思い切って連絡してみようということで夜中にツイッターでDMをした。返事が来た時は部屋で思わず飛び上がってしまった。

「音と言葉と体が溶け合う空間」。そのことを考えながら視野はいつもやっていて、そうなると自然と周りから「アングラ」みたいなことを言われるようになって、素直に好きな人と好きなことをやるとアングラになっちゃうのかあなんて思っていて。まあそれでもいいけど、次の景色が見たくなって、そのために新しい空気を入れたいななんて思っていたこともあって、ぶちあがった。なので朝からヒップホップなんかを聞きつつ稽古場へ。今日も頑張ろ。

10/25

稽古稽古稽古!昨日の通しを経ていくつかの点を修正し、衣装を着られる人は着た状態で再び通し。なんというかここからは一個も落とせないなという感じ。何を試して何を掴んで翌日何を持っていくか。これを本番までひたすら繰り返すことになる。自分の挑戦したいこと、進みたい方向はおそらく決まった。まだまだ全然ダメだけど、このままいこう。

稽古後、家に帰って少し寝てマクドナルドに行った。シンガポールのマックは今、サムライバーガーという期間限定の黒いハンバーガーを売っている。店員もこれに合わせて黒い服を着ているんだけど、でもこれ、そもそもサムライでなんで黒なのか。そして店員の制服も黒いしサムライ足らしめるものが皆無だ。まさかサムライとニンジャを勘違いしているのでは。。。

サムライバーガーは頼まず、ビッグマックとカフェラテを頼んだ。カフェラテはSなのに大きかった。よし。カフェラテは美味しさではなく大きさです。大きいは美味しいのです。

10/26

稽古稽古稽古稽古!みんなの生活のリズムがだんだんと変わってくる。本番に向けて各々調整に入っている。共同生活とは言え、今週はみんなと稽古場以外ではなかなか顔をあわせることがない。

でもこの日は夜中に美希恵ちゃんと話し込んだ。くだらない話も真面目な話もいっぱいした。最初は洗濯を待ってる間の数分間を潰すためのお喋りだったのに、気づいたら話題がころころ移って、気づけばなんでこんな話をしてるんだろうということになっていた。洗濯はとっくに終わってるのに声をひそめながら延々と話し、もういいかという時には二人ともどこかすっきり。二人とも考えてることを言葉にしていくことで整理していたのかもしれない。

美希恵ちゃんと自分は性格も生い立ちも生活のなかで大事にしていることも全然違う。それでも二人には共通点がある。それは夜更かしが好きということだ。一人でする夜更かしもいいけど、たまに過ごす誰かとの夜更かしもまた素敵だ。そういえばいつかの夜に美希恵ちゃんはトランプで神経衰弱をしながら「夜更かしは楽しい」と言っていた。それが麻雀だったら大瀧詠一「楽しい夜更かし」だなと思ったのだった。

10/27

稽古稽古稽古稽古稽古!!あっという間に稽古も最終日。この日は二回通したと思う。衣装、メイク、新たな映像、改訂された脚本、すべて有り有り。試したいことはなんとか試せたし、視界も開けてきた。衣装をつけたことで不可能になった動きもなんとか別の案を見つけられた。場当たり、そしてそこからの怒涛の通し稽古のなかでさらに見つけていくことはあるはず。

稽古が終わってすぐに寝て、11時ごろにまた起きた。クラブに行く。もうどうしても音を浴びたい、そういう気分なんだ今日は。これ、日本だったら気合いを入れるためにこってりしたラーメン食べるぞ、みたいな状態になっているパターンだと思う。というわけで行ってきます。続きはまた明日。

10/28

昨日の続きを。

着替えて家を出たのが11時過ぎ。バスを降りて、目的の店に入る前に夕飯を食べつつ辺りを歩いてみた。このエリアは前に一度来たことがあるけど、その時はそんなことなかったのに今はお店の前で弾き語りの人が歌っていたり、バンドのセッションが行われていたりしていて、それを見たり見なかったりしながらみんな酒を飲んでいる。ある店の前で弾き語りの人がMan in the mirrorを演奏していて、サビになるとお客さんが歌ったり抱き合ったりしていた。

目当てのクラブは少し覗いたけど、なんだか鳴ってる音も雰囲気もヤンキーぽくて、入らなかった。二つ隣にも一階がレストランで二階・三階がクラブになっているビルがある。階段を上ると、カウンターがあり、そこにマレー系の女性が立ってるでも寄りかかるでもなくでもなくいる。かかってるジャンルを聞くと「2階はR&BとHIP HOP、3階はラテン。どっちも10ドル」とのこと。ふだんR&B,HIP HOPのイベントにあまりいかないので少し考えたけど思い切って入ってみた。合わなかったよそに行こう。

2階はエイジアのラウンジぐらいの空間で、テラスがあり、外でも踊れるようになっている。入った時は12時前。人はまばらだった。この日も一応ハロウィン・エディションということでDJはみな軽めに仮装、お客さんも数人が気持ち程度の仮装。そういえばカウンターにいたあの女性も目の周りが少しゴスっぽかった。「仮装してない方、お断り」みたいなことがなくてよかった。どうでもいいけど申し訳程度のハロウィンメイクって何だか面白い。何かに似ることなく、なぜだか血が出てる、みたいな人、自分は好きだな。

ビールを飲みつつ踊っていたらあっという間に1時過ぎ。DJが交代した時には7割ぐらい埋まっていたと思う。ここからは長いピークタイムの始まり。神奈川のMTVことTVKで自分がビルボードトップ40を噛り付いて見ていた頃の曲がかかりまくる。jagged edge’where the party at’、MJB’family affair’、2Pac’Hit em up’、NORE’Nothin’とかとか。DJ!!!

結かかる曲のリリックを覚えていている人が多くて、歌詞の内容に合わせて踊ったり、歌詞がセクシーな時は女の人はセクシーに踊ったりする。Beyonceの’single ladies’なんかはMVの振りを引っ張ってきて踊る人がいたり。ビートがバッシバッシ来る曲、例えば’Drop it like it’s hot’(懐メロ)なんかがかかると、目の前の女の人が「うわ、腰にくるっ」みたいな、「暑い暑いっ」みたいな、手で顔を仰ぎつつ、少しばかり苦しそうな表情になってビートに合わせて腰を動かして踊る。ビートを腰で受け止める、そのなんとも言えないかっこ良さに、もうちょっとほんとどうにでもなれ俺みたいな、なんというか女性の神秘的な瞬間を見てしまったような、途方もない気持ちになる。DJが最高にどんぴしゃな選曲をした時、女性は子宮で踊るのかもしれない。

2時頃には満員のフロアは大合唱、バーカウンターは並びまくり。ぴょんぴょん飛んだり乾杯したり、気づいたらサークルができてブレイクダンス始まったり、気づいたら俺、背の高いインド系の女の人と踊ってるし、フロアはかなりの熱気になっていた。ここはカリフォルニアラビンでもニューヨークニューヨークでもなくシンガポール。だけどEmpire state of mineでみんなでニューヨークを歌う。あれにはなんだか不思議な気持ちになった。自分も含めここにいるのはみんなアメリカの音楽を聴いて育った大人たちだ。

3時過ぎにパーティーは終わったけど、電車はなく、タクシーも捕まらなくて歩いて家まで帰った。

今日のこの夜で、中学生高校生の時からこつこつ歌詞カード読んだり試聴機を片っぱしから聞いていたあの時の自分は報われたんだと思った。あんなにたくさんの人たちとあの頃夢中だった音楽を共有できたんだから。音楽を好きでよかったと感じる時間であり空間だった。あのときの青春が夜と共に終わって、眠りと共に新たな物語が始まる。今好きなこと、今夢中なこと、そのことを思いっきり考えよう。すべては「今」のなかに眠っているのだから。

目覚めたのが昼の3時頃。家に着いたのは朝の5時頃だった。

目覚めたのが昼の3時頃。

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Theatre Collective HANCHU-YUEI

 2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。

 現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。

生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、

より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。

 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。

 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。

090-6182-1813(制作)

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